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私の本

かまくら春秋社の自費出版から、ベストセラー作品や話題作が続々と登場。本をつくった方のコメントを紹介します。

「サシバ通信」


稲村ガ崎海浜公園
稲村ガ崎海浜公園

著者 茂木一男さん

鎌倉で"鷹"を見る

 

 サシバの魅力にはまり、地元の稲村ガ崎で観察をはじめてから5年余り。サシバの飛翔姿の美しさや渡りの観察をする喜び、感動を少しでも伝えたいと、観察記録を中心にまとめました。
 サシバとは鷹の一種で、数10年前は「マグソ鷹」と呼ばれるほど鎌倉でもよく見られた鳥。サシバが餌を獲る里山の減少からか、近年では北限の福島辺りから東南アジアを行き来する渡りの時期に鎌倉上空を渡っていきます。日の光に透けた羽は金色に輝いて見え、非常に美しいものです。
 バードウォッチングをはじめてから18年、はじめたきっかけも、勤めていた文藝春秋の探鳥会メンバーから聞いた、サシバ観察の感動と興奮に圧倒されたからです。
 いつ鎌倉を通過するのか、360度どこに現れるかわからないサシバ観察は"待つこと"でもあります。上空を高速で移動する鳥を判別するのもまた長年の経験を必要とします。それでもサシバを見続けるのはサシバが好きということに尽きます。観察をすることで、仲間ができ、様々なことを気づかされ、考えるきっかけをもらいました。
 これから10月1日前後の1ヶ月、秋の渡りのシーズンに入ります。昨年は800羽を数えました。
 地元の方々にも私たちの上空を鷹が渡っているんだと、知っていただき、そして生きがいを探しをする世代の参考書になれば嬉しいです。

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「かまくら切通しストーリー」



著者 堤 治郎さん

「切通し」から描く歴史上人物の鎌倉往来史

 

 鎌倉は南に海、ほかの三方を山に囲まれた"閉ざされた都"でした。この都と外界をつないでいたのが切通しと呼ばれる山道です。かつてこの道を通ったであろう歴史上の人物に思いを馳せ本書をつづりました。
 名越、朝夷奈、巨福呂坂、亀ヶ谷、化粧坂、大仏坂、極楽寺の切通しをまとめて「鎌倉七口」と呼ばれる道は、一部が現代に残され、私たちも通ることができます。ここを歩くと、歴史の中に迷いこんでしまったような不思議な感覚を味わいます。
 1180年、住民の数が千人にも満たない寒村だった鎌倉に入った源頼朝は、12年後に幕府を開きます。それでも牛や馬が簡単に通れるような道の整備をすることはありませんでした。特異な地形を「天然の要塞」として生かしたのです。驚くことに明治の中ごろまで鎌倉の出入口は変りませんでした。
 その間に切通しを往来した人びとは、有名無名とわず数え切れませんが、そのなかから本書は、源頼朝、西行法師、鴨長明、阿仏尼、新田義貞、豊臣秀吉、徳川家康、沢庵和尚、吉田松陰、明治天皇ら18人の歴史に名をのこす人物を取り上げています。時の流れに身をゆだね、書き残された文書の行間を読みながら、どのルートをたどって鎌倉に入ったのか、そこで何を見聞きしたのかを、その生涯や時代背景とともにまとめました。
 本書から、寺やグルメ以外に鎌倉を歩く楽しさを感じてもらいたい。古の人びとに思いを馳せながら切通しを歩いてみてはいかがでしょうか。

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「鎌倉彫 彫刻刀と砥石」



著者 石垣忠志さん

より深く、より使える鎌倉彫「彫刻刀」の手引書

 

 鎌倉彫を趣味として始めて30年、師範の資格をいただくまでになりました。もともとメモ魔で、様々な文献や、資料で気になる箇所を抜き出しては書き留めていました。
さらに今回、京都や新潟の鍛冶職人や、砥石採掘場に取材して、初心者から専門家まで使えるように留意してまとめました。
 もともと工学系の大学を出て、そのまま仕事でも設計に携わってきたので図を描くことは苦になりません。この本でもできる限り図を描いて分かりやすく解説しています。
手に取るといかにも単純な構造のように見える彫刻刀もその歴史的変遷をたどってみると、様々な材質や形を経て現在の彫刻刀のような日本独特の形になったことが分かります。
 京都に取材に行った際、砥石の産地で2億5000万年前の地層から取れる砥石が、もう取れなくなってしまったという話を聞きました。鍛冶職人や天然砥石採掘など、いいものがだんだんと少なくなってきています。
 この本を読んでくれた方がその奥深い伝説や歴史を知り、また実際の制作にあたって、少しでも役立て、伝統を残してくれれば、それに増す喜びはありません。

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